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お彼岸の話

2022/03/20 (日)

・暑さ寒さも彼岸まで:彼岸の中日は、季節の変わり目である。  

・今日 彼岸 菩提の種を 蒔く日かな:ご先祖さまに感謝して、自分自身の心の中にも仏様と同じ仏心(他者のことを優しく慈しむ心)が備わっていることに気付く日     

・彼岸とは?  3月の「春分(しゅんぶん)の日」9月の「秋分(しゅうぶん)の日」を「彼岸の中日」と言い、その前後6日間を含めた、計7日間が彼岸の期間です。

「春分の日」は、「自然をたたえ、生物をいつくしむ」日  
「秋分の日」は、「祖先をうやまい、亡くなった人をしのぶ」日として祝日に定められています。     

・インドや中国にはない、日本独自の仏教行事です!  日本では、はるかに遠い昔から太陽を信仰するならわしがあり、太陽信仰と農耕儀礼が仏教の教えと結び付き現在の形になってきたと言う説があります。仏教では、仏様やご先祖さまがいらっしゃる世界<極楽(ごくらく)>を「彼岸(ひがん)」、いま私たちが生きている世界を「此岸(しがん)」といい、「彼岸」は、西に位置し、「此岸」は、東に位置するとされています。3月の春分の日と9月の秋分の日は、太陽が真東から昇り、真西に沈むので彼岸と此岸がもっとも通じやすい日になると考えられ、この時期に先祖供養をするようになったと言う説もあります。 昼と夜の長さが同じになる、春分・秋分の日は、太陽が真東から昇り真西に沈むことから仏教で説く、かたよりのない心を持つ中道の教えにかなうとも言われています。     

・お彼岸は、なにをしますか?   
お彼岸では、お盆の時のような特に決まった行事や飾りつけをすることはありませんが、一般的には中日の前後にお墓参りに行きます。   

・お彼岸の期間の7日間は、中日はご先祖さまに感謝する日。  
その前後6日間は、「六波羅蜜」という6つの仏道修行が、日ごろ実践できているかどうか見つめ直す期間でもあります。  六波羅蜜(ろくはらみつ)とは?  
1.布施 (ふせ) 人に施しを与えること
2.持戒 (じかい) ルールを守ること
3.精進 (しょうじん) 常に努力すること
4.忍辱 (にんにく) 苦しくても耐えること
5.禅定 (ぜんじょう) 心を落ち着かせること。
6.智慧 (ちえ) 正しく判断力をもち、ものごとの真実を見る目をもつこと。  
この6つの徳目をすべて実践するのは難しいことなので、1日1つずつの徳目を実践することを意識して彼岸の期間を過ごしてみてください。  まとめ  「彼岸の中日」の前後6日間を含めた計7日間が彼岸の期間です。 この期間中は先祖供養を行うと共に、自分自身の仏心(他者のことを優しく慈しむ心)に 改めて気付き、かたよりのない円満な心を持って優しい笑顔と、愛のある言葉で周りにおられる方に仏心のおすそ分けをして、心豊かな関係を気付くキッカケにしてみてください。お家に仏壇(ぶつだん)がある場合は、仏壇や仏具(ぶつぐ)をきれいに掃除し、おはぎや季節の果物(くだもの)などをお供えします。     

・牡丹餅(ぼたもち)とお萩(はぎ)の違いとは?  
お彼岸の食べ物といえば、「牡丹餅」と「お萩」。  春のお彼岸の頃には牡丹(ぼたん)の花が咲き、秋のお彼岸の頃には萩(はぎ)の花が咲くことに由来しています。  また、牡丹の花は、大きな花ですから「牡丹餅」は大きめに、「萩」は小さな花なので「お萩」は小ぶりに作られるようになりました。  つまり、「牡丹餅」と「お萩」は、基本的には同じ食べ物ですが、食べる季節が違うため、呼びわけるようになったのです。 あんこに使われる“あずき”は、古くから悪いものを追いはらう効果があるとされてきました。春は、種をまき、食物の成長を願う季節、秋は、食物の収穫の季節です。  この時期にあずきを使った食べ物を食べたり、ご先祖さまに感謝することは、自然への 感謝や祈りとも深くむすびついているのです。  昔の人々は、自然を暮らしの中に上手にとりいれていました。季節の花を意識して食べ物の呼びかたやかたちを変え、ご先祖さまの供養を行う、こうした風習は、ずっと変わらずに残していきたいものです。